経営情報学会
11/11-12に経営情報学会@神戸に参加。2本論文発表(うち1本はキユーピーの高山部長が筆頭著者で発表者)
1)高山勇・小川美香子
タイトル:食品トレーサビリティシステムにおけるUCC/EAN128コードの導入効果
[要旨]ワンステップバック、ワンステップフォワード発想に基づき組織間連携を実現し、トレーサビリティを確立する場合、情報連携の鍵となるコード、およびその標準化が課題となる。生産地から複数段階の加工工程を経た原材料を、複数種類用いて生産する加工食品の場合、トレース(追跡/遡及)するためには、製品の製造日、ロット等の情報を複数の原材料と紐付けできることが重要となる。こうした情報項目は、食品業界で従来使用されてきたJANコードには含まれていない。本稿では、キユーピー株式会社の事例を中心に、加工食品業界におけるUCC/EAN128コードを採用した標準化の取り組みと、導入状況、その効果について報告する。
2)小川美香子
タイトル:情報開示の戦略的位置づけとフードチェーンにおけるデータベース構造
[要旨]資源依存パースペクティブを用いると、組織が自律化戦略をとる場合は集中型データベース(DB)構造を、組織が協調戦略をとる場合は分散型DB構造を選択する可能性が高いと考えられる。ところが、トレーサビリティシステムを活用して積極的に情報開示に取り組む石井食品株式会社の場合、協調戦略でありながら集中型DB構造を取る。本稿では、石井食品の事例も含めて、加工食品メーカーの戦略とフードチェーン全体におけるDB構造との関係を、資源依存パースペクティブを用いて説明することを試みる。その上で、資源依存パースペクティブの限界を指摘する。