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ケースメソッド教授法 「採点してください」

9月から慶應ビジネススクール(KBS)の「ケースメソッド教授法」の授業に通っている。
討論型の授業を実施する講師としての心構えや、授業の準備方法、ディスカッションリードのスキルを学ぶ授業だ。
隔週土曜10:30?17:00で、昨日は第6回目、その前、11月25日は私がケースリードをやらせて貰う番だった。
その時に使ったケース:「採点してください」が電子教材配信プロジェクトのサイトで公開された。

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今年度の受講生は40名程で、KBSのMBAコース2年生と私も含めたKBS外の人達とが半々位。
私もKBS2年生の時に一度受講したのだが、博士課程4年目で就職を目前に控えている。
ケースメソッド授業は、講師・参加者が創る”学びの共同体”とはいえ、その質は講師の能力に左右されるところが大きい。
この1年、実際にケースリードする機会が増え、自分自身の研鑽を切実に感じて改めて受講している。

担当教授は『ケースメソッド実践原理』( ダイヤモンド社 、1997年)の訳者であり、日本におけるケースメソッド教育の草分け的存在である高木晴夫教授だ。
今年から授業の主な進行役は、高木研究室出身でケースメソッド教育研究所代表の竹内伸一さんが務めている。
高木教授も毎回出席されて要所要所でコメントされるスタイルで、いわばケースメソッド教授法を教える人材育成の”OJT”の場ともなっている。
実は最初、高木先生に直接教えて貰えることが魅力だったので少しガッカリした。でもこれが良かった。
授業では受講生が順番に講師役としてケースリードする機会がある。
ケースリードは聞くとやるとでは大違いで、何より実践経験が資産になる。
でもケースリードをやってフィードバックが貰える場などそうはない。
だから、この授業を取るなら講師役をやらないと受講の価値が半減するといっても過言ではないだろう。
ただ、講師役は設問や進行を事前に練らなければならず、この準備で一苦労する。
ケースの論点は何か、当日どんな展開になるか、頭の中で何度もシミュレーションするのだが、ひとりでは視点も偏る。
私の場合、自作ケースで思い入れがある分、近視眼的になりがちだったので、竹内先生が何回かメールや電話で指導してくれて有難かった。
大御所の高木先生には恐れ多くて遠慮してしまうことでも、竹内先生には相談しやすい。
ケースリードは四苦八苦だったけど、振り返れば楽しかったし、本当にいい勉強になった。
発言のスピードを妨げない、強引な展開をしない、など多くの教訓を得た。授業の録画DVDも大切な資産だ。
先生方、受講生の皆さん、改めてありがとうござました。

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2006年12月10日 21:28に投稿されたエントリーのページです。

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