午前中にカセサート大学の水産学部(Faculty of Fisheries)を訪問。
「食の安全管理」というテーマで一緒にプロジェクトをやりましょうという提案
です。海洋大学はカセサート大学と研究者・学生の交流の歴史が長いので、
話はトントン拍子でした。
カセサートはタイ語で「農業」という意味だそうです。もとは農業大学だったの
ですが、今では巨大な総合大学で、水産学部の歴史も既に60年。
タイ王族の王女様もカセサートの水産で学位をとっているのだそうです。
タイは、輸出先のEU規制への対応で、水産物の安全管理では世界でも
トップクラス。加工度が高い製品の食品工場などは今後の課題ですが、1次
産品としての水産物ではトレーサビリティも確保できており、政府も水産物
HACCPに注力した関係で、監査体制も確立され、多くの人材が監査に携わ
っています。Fishery Product部門の研究者が話してくれました。
カセサート大学でもこうした社会ニーズに対応し、学生向けにHACCP講義を
開講し、受講した学生は2ヶ月間、企業でインターンシップをするそうで、その
ノウハウを生かせば、一般企業へのトレーニングも容易に対応可能。タイ語で
タイの企業と連携できるパートナーがいることほど、力強いことはありません。
海洋大学+タイから輸入している日本企業+カセサート大学+タイ企業、それ
に両国政府も絡めたプロジェクトが実現すれば、食料自給率40%未満の日本
にとって「食の安全管理」の具体的な一歩になるはずで、今後が楽しみです。
(写真は帰国後にアップ予定)
--- 2008/6/15 更新:やっと写真をUPしました (^^;)
写真上:カセサート大学での会合風景
写真下:昼食。カセサート大学のそばのタイレストランで。
アイスクリームケースにはHACCPとGAPのロゴが(!)