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2004年07月07日

EPC Global BAG Mtg.

7/7-8は米国ウィスコンシン州のAppletonで開催されたEPC GlobalのBusiness Action Groupの会議に出席。
総参加者は150名程度。各国ラボからの参加は少なく、ベンダー、ユーザー中心。欧州からもそこそこ参加者あり。
アジアは、日本が7名、台湾のPaperCompanyから1人と少ない。欧米の流通大手の導入期限を控え、各WGでは、
システム対応を迫られているサプライヤー企業向けの資料作成(ベンダーリスト、投資コスト算出用のワークシート)が
進められている。SCM分野で実用段階に入りつつあるとの印象。
<1日目のアジェンダ>
  午前中:  分科会
  午後:   各分科会の近況報告、EPCGlobalのCommunity Update(新体制など)
  ディナー: パブリックポリシーの報告
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会場の Kimberly-Clark Conference Center とカクテルパーティ風景

2004年07月13日

経済産業省は電子タグ、環境省はマイクロチップ

RFIDが、欧米では放牧する羊や牛の管理に使われてきたことはよく知られていますが、日本では動物関係はどうなっているんでしょう?
と思って、調べてみたら、環境省の 「動物の愛護管理のあり方検討会」で、RFIDの使用について、各国の状況含め検討会がされていました。

環境省では”マイクロチップ”というんですね。経済産業省は電子タグ、総務省は無線タグ、厚生省はICタグ。各省庁でも完全に統一されている訳ではないんですが、微妙に管轄領域の想いが垣間見られるというか。

動物の話に戻れば、日本では、一般の動物病院でも迷子防止などでICタグを活用する動きがあるし、行政でも、既に、昨年秋、沖縄本島でペットの管理(捨て猫防止)にICチップを皮下注射するという取り組みがありました。http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/014/20040616fe01.htm

動物でなく、ヒトになると・・・先ごろ、スペインのクラブが得意客の腕にICチップを埋め込むことで、お金を持たずに入場できるサービスを導入したことが、CNNで話題になってました。「ピアスやタトゥーと同じさ」と言われればそんな気もしますが、ファッションでなく機能性というとこが違いますよね。でも、これも”ファッション”なのかな。私は、ちょっと引いてしまいます・・・

2004年07月22日

サトーの三行提報

ICタグ関連でも有名なサトーの藤田会長訪問。ご自身でもナレッジマネジメントを研究されている藤田会長と、
KBSの奥村教授のご紹介が目的。訪問後、奥村センセ曰く「非常に面白い企業、いいケースになるぞ!」 ”ほっ”
と同時に、”そりゃそうよー、直感的にイケるって思ったんですもーん。”
サトーの面白さは、ひとつは「三行提報」。社員1300人から、毎日サトートップに上がってくる175文字の報告で、
現場の情報がトップの意思決定に生かされる仕組み。そして、意思決定後のアクション段階では、トップ、ミドル、
ローという階層組織の命令系統を通じて、情報が伝達され組織が機動する。
現場の情報に疎くなりがちなトップと、トップに直訴できる手段を得たローにとっては、情報の非対称性が改善される
うまい仕組み。ではミドルにとっては?透明性が増すことで以前より厳しい立場に晒された?それとも、情報流通
が良くなったことで、トップの意思に即した組織地図が描けるようになり業務効率が上がった?組織論でも、
MISでも、さまざまな切り口で使えるケースが書けそうです。

2004年08月20日

個人情報保護とクリーニングポリシー

國領先生が講演するというので、そのお供で、某企業の個人情報保護法関連のセミナーに行きました。最近、筑波大の新保先生とお話する機会があったり、自分でもプライバシー関連で論文を書いているとこなので、改めて、個人情報やプライバシーについて思い巡らせることが増えてます。

自分の論文では、先日、IT系の一大イベントで行われたプライバシーに関する意識調査のアンケートを集計してます。その結果では、RFIDタグやリーダより、むしろ、データベースのセキュリティを懸念する声が多数派でした。RFIDについてそれなりに知識のあるIT関係者には、ハード・ソフト・運用を含めたシステム全体のセキュリティの脆弱性の方が危惧されてるということになります。

今後は、データクリーニングポリシーのようなものも必要になってくるのでしょう。個人情報保護法で規定されている個人情報の利用目的の明確化などに加え、いつまで個人情報を保管するのか、いつ消去するのか、を明文化することです。

個人情報保護法の規制対象は、6ヶ月以上、5000件以上の個人情報を保有する”事業者”です。イベントや短期のキャンペーンなどでは、思い切って半年以内に収集した顧客データを抹消する勇気も必要でしょう。使わない顧客データでも、そのままDBに残している組織や、10年以上前のデータがテープなどに移され倉庫で埃をかぶっている組織も多いのでは?
個人情報保護法の施行は、膨大な過去の顧客データの整理にちょうど良い機会かもしれません。

2004年08月27日

成田空港手ぶら旅行視察

国交省の2003年度ICタグ実証実験の現場、成田空港に行ってきました。ICタグを使った「手ぶら旅行」の実験です。
■ツアー■
成田空港第2ターミナルにある某会議室に14時に集合、ニュースビデオを見た後、セキュリティ上、滅多に拝めない
成田空港の裏側ツアー。ターミナルビル内では、チェックインカウンターのタグ発行プリンタ、CTスキャンや3D映像方式の
最新型の爆発物事前検査装置(公表2億円とか)を見学。次は、バスに乗ってサテライトビルにあるコンテナ積み込み場所に赴き、
サーバーが置かれている”第2旅客ターミナル手荷物搬送設備監視室”、地下に張巡らされた手荷物コンベアの数箇所に
設置された固定型のRFIDリーダーなどを見て、最後に、会議室に戻って質疑応答。
読み取り率はほぼ100%、利用者は実験期間中6ヶ月で5000個と目標5万個には及ばなかった、利用者の70%には好評、・・・だったとか
■所感■
利用者が少なかったのは認知度の問題でしょう。とても便利なんですけどね。だって、今は、空港宅配を頼んでも、
チェックイン前に成田空港の宅配業者のカウンターで自分で荷物を受け取らなければいけない。それが不要ですから。
自分のスーツケースとは、自宅で宅配業者に預けてしまえば、目的地に到着するまで対面することないというのは魅力です。
素朴な疑問としては、乗り継ぎがあるときも使えるの?ってとこでしょうか。海外旅行で国内便に乗り継ぐとき、自分で荷物を
載せ変えなくて良ければポイント高いですよね。
今回ハードとネットワークの検証はそれなりにできたでしょうから、次の05年モデル構築時は、実用に向けたソフト面の検証でしょう。
本当は、利用者の声や、実際にe-タグ手荷物のオペレーションを担う現場の評判が聞けると面白かったでしょうね。
宅配便の集荷担当者や、空港カウンターの地上クルー、飛行機にスーツケースを積む作業員などの負荷をいかに軽くできるか、
支援できるかが、効率性の向上であり安全性の向上になる。で、喜んで使ってもらえるシステムじゃないと意味ないですから。

利用者として、今後期待するとこは・・・
 1)なんといっても、個人的に米国にいくことが一番多いので、北米も対応して欲しい。
 2)帰国時も、税関申告なしの時は、ピックアップ不要で家に荷物が届いて欲しい。混んでる時の成田は最悪。
  藤沢方面在住で、ただでさえ、成田到着後の家路が長いから、身軽にさくっと帰りたい。
  行きも帰りも利用できなきゃ「てぶら旅行」じゃないですもんね

2004年09月04日

デジコア合宿討論会

9/3-4は日経デジタルコアの合宿討論会(於幕張プリンス)に参加しました。テーマは 「Eビジネスの新ステージと個人情報保護」。
私は3日のセッション2以降の参加でしたが、Eコマースを振り返るという趣向で、豪華パネラー(メニュー↓ご参照)が集まり
とっても面白い討論会でした。個人的には、セッション3で話題になったこと、クチコミや評価情報を収益源とするネットコミュニティが、
現在グレーゾーンになっている個人情報保護法や著作権法との折り合いをどうつけていくのかに今後も注目していきたいですね。
詳細は恐らくデジコアのサイトに出るでしょうから控えますが、私の研究(食品トレーサビリティ)的には、オイシックスの高島社長と
お会いできたので一度インタビューに伺おうかと。そんな話もいずれまた。

【9月3日(金)】
19:15?20:45 セッション1「Eビジネスのブレークスルーを支えるテクノロジー」
パネリスト:日本ベリサイン 社長兼CEO 川島 昭彦氏
       ビットワレット 社長 川合 成幸氏
       OASIS(WEBサービス等の標準化団体)日本代表 岡部 恵造氏
司会:D4DR 社長 藤元 健太郎氏

21:00?22:30 セッション2「Eビジネスの顧客と消費行動」
パネリスト:イプシ・マーケティング研究所 社長 野原 佐和子氏
       オイシックス 社長 高島 宏平氏
       ネットレイティングス社長 萩原 雅之氏
司会:IBMビジネスコンサルティングサービス コンサルタント 尾花 紀子氏

【9月4日(土)】
9:00-10:30 セッション3 「ネットコミュニティビジネスの潮流」
パネリスト:アイスタイル(@cosme)社長 吉松 徹郎氏
       カカクコム 社長 穐田 誉輝氏
       ベネッセコーポレーション ウィメンズパーク事業部統括責任者 安田 啓司氏
司会:慶應義塾大学 教授 國領 二郎氏

10:45?12:15「Eビジネスにおける個人情報保護法への対応」
パネリスト:インターネットプライバシー研究所 代表 高木 寛氏
       筑波大学 図書館情報学系 助教授 新保 史生氏
       経済産業省 情報経済課 課長補佐 伊原 智人氏
司会:日経デジタルコア代表幹事 坪田 知己

2004年09月21日

Auto-ID Labs Work Shop

9/23-24にZurichで開催されるAuto-ID Labs Work Shopへ向け出国。シンガポール航空で、シンガポール経由合計20時間の
長旅ですが、shigeyaさんのお陰で、ちゃっかりシンガポール市内でディナーを堪能できました。この店、カニチャーハン(名物)と
シーフードビーフンが最高!!猛烈にお勧めです。空港からタクシーで25分程度なので、乗り継ぎに余裕がある方は是非。
私達は夕方6時位で最初の客で終始席は余裕があったので、予約なしでも大丈夫そうですが心配ならWebで受け付けてます。
  Chen Fu Ji Fried Rice
   3 Temasek Boulevard #03-020, Sky Garden,
  Suntec City Mall , Singapore 038983

ちなみにこのサンテックシティには広大なモールがあって、ファッション、スポーツ、タワレコなどなど、ショッピングも充実です。
カルフールもしっかり進出してて、お馴染みの斜めの動く道(?)もありました。さすが流通大手、世界共通仕様です。

2006年11月18日

Web2.0≠みんな

昨夜の最大の気付き。 『Web2.0 って、みんなじゃなくていいんだ』

利用者(含自分):つながる人は”みんな”じゃなくていい
   ⇒ 知ってる人/好きなモノ同士だけでつながる、それが”シアワセ”
      (ネット上にいる無限の他人はあくまで他人、将来もずっと他人)

事業者:サービスもビジネスモデルも、”みんな”はやらなくていい
      ※ 昨夜の議論では、”ヒトのフンドシでいける”という表現
   ⇒ アフィリエイトとか、今ある多様なWebサービスとどんどん連携して、
     ユーザによりよいサービスを提供することに注力する
     昔より低い初期投資・運用コストでOK、だから、それなりに稼げれば十分くっていける

Web2.0って、概念自体が曖昧なことを差し引いたうえでも、なんかキライなコトバでした。
それが、自分の中で、なぜだったのかが判りました。
「ユーザ参加」とか「SNS」のS:ソーシャルとか、Web2.0というコトバがどことなしに
”みんな”という概念を内包してそうな点が気持ち悪かったんですよね、私は。

”みんな○○なんだから”ていわると、ついつい、じゃ、私も、と思ってしまう自分。
でも、”みんな”が強調されるときほど、実際はそうじゃない。
”みんな”というコトバの与える虚像。”みんな”の持つ危さ。

でも、昨夜、フォーシーズンズホテル椿山荘東京「アンフィシアター」で開催された
日経デジタルコア討論会 「WEB2.0ってそういうことだったのか会議」に参加して、
実際は、むしろ、”Web2.0ってみんなじゃなくていい”ことなんだ、と思いました。

Web2.0世代というのが存在するならば、それは”みんな”を諦めていいことに気付いた世代
なのかもしれません。いや、気付くか否かのレベルではなく、そんなことは考えるまでもなく、
当たり前のように個の時代に対応している世代。
そして”みんな”を諦めきれないのWeb1.0世代。

そんな構図が見えた、というのが私の感想。だから、後半、日経のSさんとKさんやIさんが
やんややんやと話をはじめた頃からが、私としては面白かったです。
ちょっとWeb2.0ってコトバが好きになった日でした。

昨夜のそうそうたるゲスト
 > チームラボ 社長 猪子 寿之氏
 > はてな 取締役副社長 川崎 裕一氏
 > ネットエイジグループ 代表取締役 小池 聡氏
 > シックスアパート 代表取締役 関 信浩氏
 > フォートラベル 代表 津田 全泰氏
 > アイスタイル CEO 吉松 徹郎氏

そのうち日経デジタルコアのサイトにも、報告が載るでしょうので詳細はそちらで。

2008年02月12日

食品工場査察実習(SQEより雪だるま)

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2月9日(土)〜10日(日)は、海洋大学の「流通における食の安全
管理勉強会」メンバーで研修旅行にいってきました。教員、院生、
メンバー企業の参加者総勢約20名。行き先は滋賀県の三雲と
和歌山県の御坊で、実際に食品関連工場で、品質要求基準(SQE)
に基づいて、自分達で作ったチェックリストを使って査察をする実習です。
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三雲で大雪に見舞われ、御坊への移動がどうなることかと
思いましたが、なんとか電車に間に合う時間に駅に着き、ほっと
一安心。たばこ組みはホームで一服(下)。・・・と思いきや、雪合戦
するわ、雪だるまは作るわ(左)。おおはしゃぎのサラリーマン一行。
なんだか中学生の修学旅行のようでした。 (^^)
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もちろん遊びの旅行ではなかったので、査察実習は、かなりシビアでした。
私がいたチームでは、メーカーや小売で、業務で査察をしたことのある経験者
が半分本気モードでチームを引っ張り、ポイントを教えてくれたので、査察初心
者の私にとってはいい勉強でした。

昨今、食品メーカーも、小売も、取引先の品質管理をチェックできる能力があるか
どうかがクリティカルになってきました。ただ、査察をするためには、査察する側に
多くの知識とノウハウが必要になること。また、非難を前提とした締め上げでは
意味がなく、そのあと、その工場が、改善すべきところは改善してくれないといけ
ないから、【査察はコミュニケーション】。そのことが判った旅でした。

2008年02月13日

塩八ツ橋

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2月10日、和歌山からの帰り、新大阪駅の新幹線ホームでGET。
八ツ橋にも最近話題の”塩”を使ったバージョンがあったとは・・・
味は全然しょっぱくはありません。ほんのり塩の風味もしますが、
むしろ、甘さ控えめ版といった感じで私は好きでした。

2008年02月22日

法政大学 松島茂教授

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2月21日に、私が会員として所属している
早稲田大学ネオ・ロジスティクス研究会
消費財流通分科会のメンバーで、法政大学
経営学部の松島茂教授を訪問しました。
そびえたつボアソナード・タワー(写真左)は
地上27階!ひぇぇ、空の広い海洋大学の
風景に慣れているので、思わず興奮です。
(観光気分♪♪♪)

消費財分科会では、吉岡洋一教授(松山大)を
中心に、来年度の特別シンポジウムの企画を
しています。その基調講演のお願いにあがった
のです。
「これからの新しい消費財流通の姿を探る」
という大きなテーマです。短時間でしたが今日の
松島先生との議論は大いに刺激を受けました。
とくに興味深かったのは、松島先生が「編集」
いう言葉を使って色々話してくれた点。

ネットクチコミ研究をして以来、「編集」は私に
とってのキーワードでもあります。情報の価値を
生む鍵となる機能。ネットの世界では、情報の
海で溺れないための役割として注目された
「インフォミディアリ(情報仲介者)」という機能。
ホテル業界の用語から一般化しつつある「コン
シェルジェ」という役割。どれも、エンドユーザー
の立場でサービスを提供し、価値を生むための
仕組みです。これらを、編集という言葉で捉える
と、今度のシンポジウムでも多様なゲストスピー
カーの視点をまとめることができるのではないか。


080221_172223.jpg卸が担うべき流通の「編集」機能とは何か。
卸の機能が集約化されることで、規模の経済に
反する商材の流通ルートが消失するのではないか。
ネットの普及に伴って伸びている産直システムor
ネット通販は、今後も発展を遂げるか。

ファッションや食品など、多様な消費財があるなか、
消費者基点の価値や、次世代の流通システムを
議論するシンポジウムでは、「編集」という言葉を
鍵にできるのではないか。

まだ思考が発散状態ですが、6月のシンポジウムに
向け、コンセプトを固める作業を、これからネオロジの
分科会でやっていこう、なんかワクワクしてくるね、
そんな会話を皆でかわしてきました。
法政大学から駅に向かう途中のカフェにて。

2008年03月01日

SSME University #8

080229_182651.jpg宮城大学の高橋浩先生の紹介で箱崎IBM(写真)にて第8回 SSME Universityに参加。

日時: 2008年2月29日(Fri) 18:30 - 20:40
会場: IBM箱崎事業所 2F 会議室 201
内容: 分科会中間報告、講演 
講演: 『知の世界と学問としてのサービス学の位置付け』
     妹尾堅一郎 NPO法人産学連携推進機構理事長
     /東京大学国際・産学共同研究センター客員教授

SSME = Service Science, Management and Engineering

今や就業人口でもGDPでも産業の中心である"サービス"をどう科学するかを考える「場」です。
数年前にIBMが提唱し、日本でもこれから「学」として位置づけていこうという段階。
サービスサイエンスという学問分野は、昨年末に高橋先生から聞いて初めて知ったんですが、妹尾先生の「サービス学ことはじめ」の講演など聞いていると、博士課程に入ったばかりの2003年から、慶應SFC 21世紀COEプログラムの教授陣や博士仲間と「総合政策学」を定義する議論のなかで、学問体系とは、科学とは、知とは・・・というところから議論をしていた内容と共通点が多く刺激を受けました。

彩塩イタリアン

080302_214739.jpg彩塩イタリアン 2月14日に日本精塩さんのインタビューと工場見学の際に貰った"彩塩イタリアン"を使って、アジのグリルトマトソースを作りました。少し辛目のスパイスも足したがゆえに、"彩塩イタリアン"のニンニクとバジルの風味が薄れてしまった。もったいなかったなぁ。まぁ美味しかったからいいか。お供はキリンのスパークリングホップ。

2008年03月06日

消費者の責任、中国産への対応の背景

3月5日に、明治記念館で開催されたウチダ食品フォーラムにいってきました。
日本食糧新聞社のおふたりによる基調講演の所感を書きます。

「食の安全・安心」を巡る行政と食品産業の動向
 日本食糧新聞社 編集本部先端取材局局長 伊藤哲朗氏

まず、印象的だったのは、”(消費者を)裸の王様にしていないか?”のひと言。
食品表示をめぐっては、科学的議論ができない点が問題で、消費者に勉強してもらうような
情報提供を企業がすることが必要、という主張と理解しました。賛成です。

逆に、消費者(自分自身を含めて)の方も、権利だけ主張する「お客さん根性」を変える頃です。
もう受身でのほほんとしていれば済む時代ではありません。自分の身は自分で守らないと。
身を守るためには、いい企業は、きちんと育てて、支えていかないと。
消費者には権利もあると同時に、消費者としての「社会的責任」もありますから。

また、伊藤氏の講演によって、各地の生協の中国産加工食品への対応の背景が判りました。
例えばコープさっぽろの対応は、かねてより進めていた地元の道産商品の取り扱いをあげる
という方針があっての判断だったとのこと。

今回の件では、コープさっぽろ以外の小売や外食を含めて、単に”取り扱い中止”、”一旦停止”、
”国産に切り替え”といった観点でしか報道されなかったケースが大半だったかと。
事実なので仕方ないのですが、記者や新聞社の主張は書いてなくても、書き手の意図は暗黙の
うちに受け手に伝わるもので、いつの間にか「中国産=毒or悪」という図式が私達の頭の中に
できてしまったんじゃないでしょか。

こうした報道を耳にしていて、単にやめるという対応はちょっと危ういぞ、と思っていました。
中国産の食品の全てに問題があるとは思えないからです。逆に国産だから良いとも限らないはず。
原因究明されていない現時点では何ともいえませんが、例え今回の件の原因が中国の工場に
あったとしても、中国産はALLダメ、では大人気ないでしょう。
人の気持ち(消費者心理)は勿論大事ですが、科学的な根拠を示して議論and/or行動していか
ないと、日本は輸入食品に頼らざるを得ないのに、どこの国とも良い取引関係を築けなくなります。

ということで、事実の背景として、様々な対応をしている小売/外食側の真意や意図を知りたいと
思っていました。それが伊藤氏の講演で判った点は私にとって収穫です。コープさっぽろであれば、
ラルズやAEONとの競争で勝ち抜くために、地場の小売としての存在価値を高めようとする戦略的
判断ということです。

食の安全安心に関する報道では、バッシング傾向が強いというか、特定の価値観に偏りがちで、
危うくて仕方ありません。多様な視点から、多様な意見を報道してくれるといいんですが。


* * *

「食品業界のシステムについて〜現状・課題・今後〜」
 日本食糧新聞社 21世紀事業本部事業部長 一瀬隆氏

アルカナムを消費者がどう評価するか、eBASEかMercriusか、など、1年前から、コープさっぽろや
サプライヤー企業を取材していたなかで、私自身も考えていた内容とどんぴしゃでした。
でも今日は既に長く書いたので、また今度。

* * *

関連:
2008/02/27 コープさっぽろ 「CO・OP手作り餃子」事件へのコープさっぽろとしての対応について」
2008/02/27 アサヒコム「コープさっぽろ、中国産食品販売中止」

2008年03月27日

東京駅:ほんのり屋(おにぎり)

3月27日、仙台にいってきました。宮城大学の高橋浩先生とのディスカッションだった
ので、頭の体操のため、新幹線で、アルバート・バラバシの『新ネットワーク思考』
(NHK出版、2002)を読みつつ、(&寝つつ)。。。

昼食は新幹線に乗車する前に東京駅構内の「ほんのり屋」で購入したおにぎり。
先日、某テレビ番組でグッチ裕三さんが東京駅のおにぎり屋さんの話をしていました。
「鮭がまぶしてある上に中にも鮭が入っていて本当においしい。新幹線に乗る時必ず
買う」と。そのことをふと思い出し、駅構内を探して、見つけたのがほんのり屋です。
その名も「鮭まぶし」は、鮭フレークごはんの中に大きな鮭が入っていました。
もうひとつは「塩にぎり」。出張慣れしていそうなサラリーマンが2名も注文していた
ので、真似してみたら、これが一番おいしかった。シンプル イズ ベスト ですね。
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宮城大学高橋浩教授

今回の仙台出張は、宮城大学食産業学部環境システム学科の高橋浩教授と、ケース
メソッド授業について、情報交換と議論をする目的でした。高橋教授が2008年度に担当
する講義で、私が書いたキユーピーや石井食品、アイスタイルのケースを題材に授業を
しようと計画されているので、それぞれのケースについての所感や取材時およびその後
の情報、企業やシステムの競争優位の本質、一連のケース扱うことができる共通の
テーマなどを、昨年末から3回位議論しているのです。長年富士通で標準化に携わって
いた方で、議論の度にIT産業や情報社会について、多くの示唆と刺激を与えてくれます。
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夜は「旧伊達邸鍾景閣」という「千と千尋の神隠し」にそのまま出てきそうなお屋敷で。
内部もとても素敵で、畳のお座敷、床の間には鎧兜。ここの名物は箪笥料理といって、
ミニチュアの和箪笥の中に料理が入っているスタイルだそうですが、今回頂いたのは
「姫御前」。写真(下右)の手前のお膳のほか、奥の黒塗りの大名駕篭にもお料理が
並べられて運ばれてきます。感激の美しさ。ほかに桜のアイスクリームのデザートが
ついて、4,000円!これはValue for Moneyが非常に非常に高い。仙台いくなら是非。
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「鐘景閣」(しょうけいかく)
住所/ 〒982-0251 宮城県仙台市太白区茂庭字人来田西143−3
電話/ (022)245-6665  FAX/ (022)245-9930
e-mail/ info_s@shoukeikaku.jp 
営業時間/ 11:30~15:00、17:00~20:00

2008年06月04日

ロイヤルホストの原産地表示

午前中、卒論ゼミで外食の情報開示が話題になりました。品川駅の反対側、高輪口にロイ
ヤルホストがあるというので、早速昼休みに学部4年生の女の子達と突撃取材!
確かにお店の入り口に「毎日紹介 素材の原産地」という看板が。(写真左から2番目)。
看板の上部を拡大したのが、右の2枚の写真です。(写真をクリックすると拡大されます)

モスバーガーでは黒板に手書きで表示していますが、ロイヤルホストはA4用紙が、ちょうど
看板にセットできるようになっています。これだけ種類があると手書きは手間でしょうから、
店舗で印刷してはめ込むのでしょう。毎日紹介ということは、情報も毎日変わるのかしら。
でもファミレスなら本部が季節ごとにまとめて素材を調達して各店舗に配送しているでしょう
から、調達先が日々変わるとは思えない。てことは、情報更新は毎日必要ではないんで
しょうね。

余談ですが・・・メニューには”東京農業大学コラボレーション かむかむ30”という健康志向
なメニューがありました(↓)。「豚しゃぶ&たっぷり温野菜のご膳」。なんとなく悔しかったので
これはやめました。ロイヤルホストさぁん、東京海洋大学とも、こういうのやってくださぁい〜。
ご近所のよしみで。(ってメニューは本部が決めるんだって)


2009年01月29日

遥かなる博士への道(1) (ドラフト提出)

昨日、母校SFCの事務に博士論文のドラフトを提出してきました。
提出直前に参考文献のページが抜けていることに気づき、
大騒ぎで、現在SFCの教員となっているミキ先輩の研究室に駆け込み、
印刷して、事務の窓口が閉まる15分前に、なんとか滑り込み。(T▽T)

インドネシアから帰国して以来約1週間、2−4時間睡眠で
連日ユンケルを愛飲しつつ、汗と涙と気合いと根性で、
とにかくラフラフではありますが、なんとかここまでこぎつけました。

思い起こせば、先週末・・・。
主査のセンセーに「もう無理です、諦めさせてください」と
泣きを入れてました。どうしても書けなくて。
実はインドネシアでも少しは書くつもりだったんですが、
朝5時半出発とかなハードスケジュールで、
実際それどころじゃなかったんですよね。
  (といいつつ現地でちょっと飲んぢゃった
          >センセー、ゴメンナサイ (>_<))

「いいから、とにかく書けっ!とにかく出すんだっっ!!」
と発破をかけられ、それこそ岩に齧りついての1週間。
いつか思い出して笑える日が来るのだろうか…

そして、次の山は2月4日の公聴会。
博士への道は遥かなり。

つづく

2009年02月01日

インドネシアにて。コーヒー生豆の追っかけ調査

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1月18日〜22日でインドネシアにいってきました。
インドネシアは、日本のコーヒー輸入国では、ブラジル、コロンビアに次ぐ第三位です。
今回は、ロブスター種の主要産地であるスマトラ島南部ランプンで調査しました。
グリーンビーンといわれる焙煎前のコーヒーの生豆。
高度約800メートルの山中にあるコーヒー農園から、山麓の村の集荷場、
街中の仲介業者、精選工場、日本への輸出港となるランプンのパンジャン港まで、
生豆と同じ道を辿り、流通の実態を把握する旅です。
年始から風邪の咳と微熱が引かなかったのですが、なぜか治ってしまったようです。
連日30℃以上で汗をかいたせいかしら。辛い料理のせいかしら。
海外での現地調査は初めてでしたが、やっぱり現場、大好き。
全く知らなかった新しい世界を見られるので、とにかく面白くって。ワクワクします。
もちろん関連する企業や、現地の方のご協力なしには入れない場所ばかりなので、
こんな貴重な機会をくださった皆様に、本当に本当に大感謝です!!
写真左は精選工場(乾燥機)、右は上からコーヒーの実、農園、調査チーム御一行。
多くの発見がありましたが、それはまたいずれ調査報告書で。

2009年02月10日

グルイン提案、そして伊勢海老三昧

「携帯電話を活用した情報提供に関する研究」の仕込みで、9日〜10日に
かけて大阪にいってきました。ユーザビリティテストと消費者の意向を
グループインタビューで探りたく、その提案と、某ソフトウェア企業さんとの
情報交換です。往路は昼時の飛行機で関空へ。当然、空弁でしょ。
といいつつ、私はギリギリに羽田着だったので、共同研究者Aさんが私の
分も買っといてくれました。「神田明神下みやび みつせ鶏つくね弁当」。
軟骨の歯応えが素敵なふっくらつくねが美味でした。Aさん、アリガトー!
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夜は中納言で伊勢海老三昧でした。ぷりっぷりのサラダ(写真左)に
甘いお造り(写真右)。いやぁ、おいしかったです〜〜〜♪
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今回、ソフト会社の方には、ゼミ生と一緒にやった商品規格情報入力の
負担感調査の研究を「面白い!」と評価いただけ、本当に嬉しかったです。
これからもガンバルぞ。小売さんとの携帯研究の話もうまく進みますように・・・。

2009年02月18日

キユーピー中河原工場訪問&寿司ランチ

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中央大学のアドバンスト ケース プロジェクトのメンバーで、キユーピーの中河原工場を訪問
させてもらいました。研究室同窓の折田さんの紹介で、昨年から、中央大学大学院の戦略
経営研究科(ビジネススクール)のプロジェクトに参画させてもらっています。

アドバンスト・ケースの最大の特徴は、文字で書かれるのが一般的なケース教材が、マンガ
である点です。絵に埋め込まれた論点の何に受講生が気づくか、それによって、クラスの
議論が変わるんだそうです。これまで、私がやってきたケース授業と同様、講師側には教育
目的(教エタイコト)があってのクラス運営なので、基本的には変わらなさそうですが。

歯切れが悪いのは、今はまだ、キユーピーのケースをもとに、仮想の食品メーカーのマンガ
ケースを作っている段階だからです。自分でケースリードをしていないし、マンガケースの
講義を見たこともないので、同じか否か、まだよく判らないのです。

090218_125815.jpgでは、なぜ、このプロジェクトに参画しているか。
それは、ケース講義で生産現場を扱う場合、工場内部を知らない
受講生には想像が難しく、議論が深まらない点をなんとかできない
かと思っているからです。マンガなら、文字よりイメージを掴みやす
いのではないか、と期待しています。

そんなこんなで制作中の新しいケースは、来年度、是非使って
みようと思っています。

写真は本日のランチ。中河原駅の高架下のお寿司屋さんで。

2010年12月17日

International University of Japan(新潟国際大学)

DVC00302.jpgケネソー州立大学のAmoroso教授と
学生達一行と、新潟国際大学訪問。
浦佐に到着した朝は雪だったけど、
今はよく晴れて気持ちいい天気です。
左:教室から八海山方向を望む。
  どれが八海山かは判らないけど…(^^;)


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上:Philip Sugai教授の講演

"The 6 Immutable Laws of Mobile Business" の3人の著者のうちの2人、
Philip Sugai教授、Marco Koeder氏の講演を聞いています。
Phillip教授は著書についての講演をしてくれました
今日学んだ単語:Luddites(ラダイッツ) 技術を拒絶する人々

Marcoさんの講演の中心概念のSimplisityに、共感。てか一緒。いわく、technologyは
ヒトのためにある、という考えを基本に、consumer-centric(脱engineer-centric )
technologyを期し、意識せず使えるorいつのまにか活用している技術を追求する。

長らく食物アレルギーを中心に食品の情報提供の研究をしてますが、基本姿勢は
まったく一緒。IT使ってストレス感じる間は、使いやすいデザイン/サービス/
デバイス/システムじゃないんだと思う。

て、世代によって、ストレスをいともたやすくクリアしちゃったりもするんで
一概には言えませんが。

2011年03月10日

3/5-9 First Mekong Workshop on Wealth and Health

I have attended the First Mekong Workshop on Wealth and Health @Vientiane, Laos.
My presentation title was "Food Security, Food Safety and Food Defense:Efforts of
Japanese Government and the Food Industry".
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The workshop was held at Lane Xang Hotel along the Mekong River.

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宿泊したMali Namphu Guest House。道に面した入口は狭いけど中は回廊式でお洒落。
中庭でいただく朝食は澄んだスープのフォーか、洋風の卵料理でした。
無線LANは部屋より廊下の方がつながる。PCの横はベトナム人がくれたココナツ餅。
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ラオス料理はタイ料理やベトナム料理に近い。そりゃお隣だから当然か…
タイより辛くないものが多く、ベトナムよりハーブを多用する印象かな。
写真は、ビエンチャンでも有名な食堂で食べた「手巻き生春巻き」。
生春巻きの皮で、お好みでレタス、つくね、麺、ハーブを巻いて甘辛いタレで食べる。
生春巻きの皮がまだカチカチさが残る乾燥した状態のまま出てきて、おいおいと思って
たら、ラオス人の女の子は、さらっと山盛りの野菜の間に挟んで放置。なるほど。
野菜についた水分で適度に柔らかくなったところを使うのか。現地の常識らしい。
ジュースは、店頭で絞ってくれるみかんジュース。オレンジじゃなく、みかん。
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左:乗継のタイの空港のMangoTreeで食べたカオパックン&シンハービール。
中:ミネラルウォーターとラオビール。ビールは1缶100円もしない(嬉)。
右:最終日の懇親会のレストラン。入口にフランスワインがずらりと並びフレンチ
かと思いきやラオス料理の店だった。旧宗主国の影響で可愛らしい建物が多い。
有名シャトーのワインでもびっくりするお値段とか。まぁそんなの飲めなかったけど。
確かに、初日、10名くらいで軽く飲んで食べて3000円(ひとり300円)だった。

ラオスはまだ日本では馴染みの薄い国だけど、素朴で穏やかなお国柄のようなので、
これからお互いにいい関係性が築いていけるといいと思う。新たなコーヒー産地と
しても期待されているらしいし。て、先日のガイアの夜明けの受け売りですが。
去年インドネシアのコーヒー調査に同行してくれたK氏が番組で取り上げられていて、
うわ〜っさすが〜っと印象深かったので書いてみました(笑)

今回の縁を大事に、是非また訪れたいものです。

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